アクセサリーの制作過程②型作りから鋳造まで
前回は銀を小分けする作業を書きましたが、
今回はハンドメイド制作部分をお話しします。
水晶なり宝石なりにロストワックスで枠なり、吊り下げるためのリングを取り付けるプレートやキャップを作る作業です。
宝石の場合はよりきれいに見えるように考えて作りますが、
原石水晶の場合は、いかに水晶の邪魔にならずリングを取り付けるようにできるかを第一に考えています。
綺麗な原石水晶はお守りの意味合いを強く持っているので。
きれいな水晶のアクセサリーは五万とありますので、
原石水晶を求めておられる方は、
第一に原石の美しさだと思うので、
その邪魔をするようなものは付けてはいけないと思うのです。
そうは言っても針金だけでは何ともならないので、
私の思う最低限の装飾を施すようにしています。
(たまに純銀プレートなどに加工を施していますが)
作業の工程に入りますが、
水晶に直接ロストワックスを貼り付けて形を作っていきます。
水晶や宝石に付けた状態の写真を撮り忘れていたのでゴメンナサイ。
水晶に付けて型を作ったものを、
鋳造するために銀が通る道になるロストワックスを型に着けて、
石膏枠をはめるゴム台に着けます。
ゴム台に鉄の枠を嵌めそこに石膏を流し固めます。
この作業は手際よくやらないと石膏が固まってくるので、
その作業の写真は撮れていません。
バタバタしていると記号がワックスに着いたり穴がふさがったりするので。
枠をはめた状態のものは撮っておけばよかったですね。
想像するにそんなに難しくないのでご勘弁を(笑)
これがゴム台を外した状態です。違う方の石膏枠の写真になりますが、
ピンクのところが加熱されることによってワックスが溶けてなくなり、
(蒸発したり燃えたりしてなくなります)
銀の通る穴ができます。
横にある銀がこの石膏型に使用する銀の量になります。
制作する時に、私は大体15gになるように割り振っています。
一つの時はそれで収まる数にしています。
ワックスの段階で重さを計り、
ワックスの重さの10倍が銀の重さとなります。
目安ですが。
困るのが取り付けている棒の重さを計り忘れること。
くっつけてからはがすと後でうまく行かなくなることが多いので、
その時は多めに鋳造用の銀を用意します。
これが遠心鋳造機です。
ばねの力で高速回転をして遠心力で銀を石膏型の中に強制的に流し込みます。
流し込むためには銀を溶かさなければならないので、
バーナーで加熱します。
バーナーはコンプレッサーにつないであり、
銀を溶かすに十分な火力を得られます。
その代わりどこででも出来るわけではなく、
写真のように万が一のために耐熱板で囲っています。
銀も遠心鋳造機用のるつぼに入れて溶かします。
このように銀を入れバーナーで溶かし、
頃合いを見て先日の写真にあった電気炉から
石膏の型を取り出し鋳造機にセットして鋳造を行います。
石膏の型もワックスを蒸発させて約800度まで加熱して、
銀がすぐに固まらないようにしておきます。
800度では銀は固まるのですが、
バーナーの炎が石膏の型の中にも届いているので銀が通る時には十分な温度になっていると思います。
と言うのもこれでちゃんと鋳造できているので。
石膏型に銀を押し流して、枠の石膏を取った状態。
(写真撮り忘れていて違う方の写真ですがこういう色をしています)
周りに焼けた石膏が付いていてどれだけ高温かわかります。
これを超音波洗浄機である程度落としたのがこちら。
ちょっと奇麗すぎますが、
ほぼ汚れが落ちた状態です。
純銀なので白い色ですが、
スターリングシルバーなど銅などが含まれていると高温で酸化して黒くなっています。
私は初期の頃、シルバー950のブリタニアシルバーで制作していたので知っています。
私はそれを硫酸で溶かしていましたが、
今はそれをやらなくてよくなったので助かります。
硫酸はちゃんと中和処理して捨てないといけないのでとても世話が焼けました。
この枝を切り取り、
作品に合わせます。
これを磨いてよりフィットさせて、
エポキシの透明ボンドで接着します。
原石水晶には一切手を加えずに制作しています。
相当簡略化していますが、
これが一連の流れになります。
鋳造ですと同じ型のものをいくつも作ることができるのですが、
同じものが2つとない原石水晶なので、
ロストワックスの型は一度きりです。
なので、同じ作品はございません。