アクセサリーの制作過程①素材作成
大したことをしているわけではありませんが、
知らない方も多いのではと思い、
簡単に説明したいと思います。
今回は、鋳造するための銀の作成法。
現在、銀相場が高くなり困っているのですが、
コロナ禍が落ち着かないと正常には戻らないでしょうね。
私は、金、プラチナ、銀を専門に扱っている企業から、
買っています。
これは300gのインゴットです。
本当は500gが欲しかったのですが、
その時には300gしかなかったのです。
このインゴットを金属切断等ののこぎりで切ります。
金切りノコと言えどそう簡単に切れるものではなく、
2~30分かけて休み休み切ります。
電動だと早いのですが、
切りくずが飛び散り、それを集めるのが大変。
何しろ純銀ですから。
丁寧に切って出来るだけ切りくずを飛ばさず、
回収を100%にします。
切りくずの方にはのこぎりの歯の粉が含まれるので、
磁石で取り除きます。
これがなかなか手間な仕事なんです。
切った銀の塊を皿に入れ電気炉で995度まで加熱して溶かします。
この電気炉、1000度まで行けるので、
銀も溶かすことができます。
ちなみに塊の銀と切りくずとなった銀は別々に溶解させます。
完全に鉄が取り切れていないこともあるので。
溶けた銀はこの型に流し込んで柱状にします。
私はその形が使いやすいと思っているので。
音のない動画ですが、
こういう作業をしてインゴットからサザレにしているんだと知っていただければと思います。
こうしてできるのが、
このような形になります。
うまく作ると柱状になるのですが、
なかなかうまくできないですね。
型が冷えているのでより固まりやすいのでしょうね(言い訳)。
この銀の重さをはかり、
次回鋳造する時にその必要重量に合わせます。
場合によってはカットします。
なのでできるだけ小さな方が楽なんです(笑)
笑えないことも。
溶けた銀がはねた痕と型が熱くなってテーブルの敷物が溶けました。
テーブルの板にも被害が。
妻に怒られます。
気をつけていてもこういうことは起こります。
特に高温なので注意が必要です。
よくやけどをします。
作業に集中すると忘れてしまうんですね。
要注意です。
サザレは売っているのですが、
自分で作る方が安いし、
ある程度インゴットをストックしておけば安定して使うことができます。
アクセサリー1個はそんなにたくさん銀を使わないので。
初めはシルバー950を作っていたのですが、
手間と用途を考えると、
純銀の方がいいと思い現在は全ての作品が純銀製です。
一部、シルバー950で作ったものもあるのですが、
それは残ったシルバー950を消費するためです。
シルバー950を作る時は型以外は純銀のものと分けています。
混ざる確率はほとんどないですが、
一応安心のため。
次回は型作りから鋳造まで書きたいと思います。